2017年12月に、Polarisニュースレターを発刊しました。
その内容をこのブログに転載します。2017年にクライアント企業に対して提供した主なサービスをご紹介するとともに、「Tomeoka’s Diary」として、MBTI資格取得、立教大学経営学部兼任講師就任など、この年の主な活動を紹介しています。
【Case 1】ハイポテンシャル人材・ローカルリーダー候補のリージョナルアセスメントセンター
[クライアント企業A社プロフィール]
日系グローバル素材メーカー
売上:約6000億円弱
[ポラリス提供サービス]
- ・ハイポテンシャル人材・ローカルリーダー候補のアセスメントならびにキャリア育成計画の支援
- ・複数のアセスメントツールとコンピタンシーインタビューを手法として活用
- ・外国人へは英語でのインタビュー実施
今年(2017年)春から秋にかけて、A社のハイポテンシャル人材・ローカルリーダー候補のアセスメントならびにキャリア育成計画の支援を、東京と東南アジア2都市で行いました。
A社は2000年代の外国企業買収をきっかけに、グループ内の組織・制度をグローバル基準に一本化。人事分野では、サクセッション・プランニング(後継者育成計画の作成)やポテンシャルアセスメントによる、タレントマネジメントを行っています。ちなみに、アセスメントセンターとは、複数のアセスメントツールとコンピタンシーインタビューをベースとした、構造化したアセスメントプロセスのこと。A社において、アジア以外の地域でも2015年頃から順次実施されているグローバル連動の取り組みです。
今回のアセスメントは、当社がアジア・日本のインタビューパートナーと共にベトナム人、マレーシア人、中国人、日本人の約20名を対象に実施しました。アセスメントの結果は、人材ごとに報告書にまとめ、上司および本人に報告するとともに、本人に対しては90分のフィードバック・コーチングも行いました。「アセスメント」「活躍度の予測」が直接の目的であっても、必ず背後に長期的視点での「育成」があるのです。
A社はアセスメント結果を、ラインマネジメントを対象とした以下ケースでも活用しています。
①ハイポテンシャル人材かどうかを判断する材料を入手したい場合
②特定のポジションへの登用候補者が複数いて、客観的データを参照したい場合
③ラインマネジメントの中で評価が分かれていて客観的データを見たい場合
④若手層のハイポテンシャル人材の発掘に際し、日常的な業務を部門長やファンクション長が身近で見ておらずアセスメント結果を見たい場合
【Case 2】自己理解、他者理解、行動変容、チームビルディングに効くDiSC活用事例
[クライアント企業B社プロフィール]
欧州系グローバル企業(製薬メーカー)
売上:数兆円
[ポラリス提供サービス]
DiSC (性格特性アセスメント)を活用したチームビルディングワークショップ
当社では、DiSC、MBTI、Caliper Profilingなど、心理学をベースに開発された様々な診断テストのプラクティショナーの資格を取得しています。DiSCは個人アセスメントだけでなく、二人が協働する際のリスクと相乗効果、そして対処方法まで助言してくれる効果的なツールです。自己理解、他者理解、それを基にした行動変容、更にはチームビルディングに効果的であるため、多くのグローバル企業で導入されています。今年6月、B社に対して、ビジネスパートナーとともに、DiSCを使用したチームビルディングワークショップを実施しました。
研修の目的やDiSCについて説明した後、事前のWeb回答により書面化していた結果シートを基に、各人が自己理解を深め、自身のリーダーシップの状態を確認。その後、D、I、S、Cのどの点が優位だったかに従って、4つのグループに分かれてディスカッション。さらに、自己とは違うタイプの人と一緒に働く時に注意すべき点について各自考察し、ディスカッション、シェアを行いました。
各人の個性の違いを尊重してお互いに強みを引き出せる関係性こそがチームとしてのパフォーマンスを最大限に発揮できる。そのことを、ワーク全体を通じて、参加者の皆さんに理解していただくことができました。
【Case 3】幹部候補へのエグゼクティブ・コーチング
[クライアント企業C社プロフィール]
日系グローバル企業 FA、電機メーカー
売上:約8000億円
[ポラリス提供サービス]
・幹部候補(日本人10人、外国人10人)へのエグゼクティブ・コーチング、リーダーシップ磨き込みのサポート
欧米企業では、ある程度の地位についたらエグゼクティブ・コーチをつけるのが常識です。当社は、グローバル企業での事業責任者経験をもつコーチや、オリンピックでスポーツ選手をメダル獲得へと導いたカリスマ的コーチなど、プロ中のプロと言えるエグゼクティブ・コーチを複数擁しており(写真)、日本語・英語両方で対応できます。
この中には、リーダー養成機関として名高い野田知義さん主催のISL(Institute for Strategic Leadership)のコーチング・ファカルティ・メンバーも多くいます(留岡自身もその一人で、ISLでも5年ほどコーチングを実施)。こうした当社の体制や実績、コーチング品質のマネジメントを評価していただき、日系グローバル企業であるC社から2年連続で幹部候補(日本人・外国人、約20名)へのエグゼクティブ・コーチングのご依頼をいただきました。これは10カ月のロングラン研修の一環で、6人のコーチが分担して各人のリーダーシップ磨き込みのサポートをしていきます。テーマは様々です。
ある欧州駐在日本人の場合は欧州事業の構造改革や、現状維持志向の現地マネージメントの意識改革がテーマ。ある外国籍社員に対しては、日本企業の意思決定・組織風土への適応がテーマです。本社の幹部候補に対しては、自己探索を深めて経営チームに入る覚悟を決めてもらい、今後10年で自分が解決すべき自社のアジェンダを設定、などがテーマとなりました。
「熟練のコーチから質の高いフィードバックをもらい、現場で踏ん張るエネルギーを得た」「コーチとの対話を通して自分の価値観がわかり、ビジネス上の壁を乗り越えられた」「自己のリーダーシップ改善のためにコーチは多くの気づきを与えてくれ、前に進むことができた」などの感想をお寄せいただくことができました。
【Case 4】社長から一般社員まで、全階層を対象とする人事総合サービス
[クライアント企業D社プロフィール]
ドイツ系グローバル企業 レーザー工作機械メーカー
グローバル 社員12,000名、日本法人 社員150名
売上:約4000億円
[ポラリス提供サービス]
【社長・経営幹部向け】
・社長へのエグゼクティブ・コーチング
・コンサルティング
【主にマネージャー向け】
・マネージャー研修(マネージャー5つの役割。MBO/評価者インタビュートレーニング、コーチングトレーニング)
・リーダーシップトレーニング(体験型プログラム・外部他流試合とフォローアップの組み合わせ)
【主に一般社員向け】
・英語力チェック(リスニング力とスピーキング力のマトリックス)〜英語学習プログラムの開発と導入 (オンライン・対面と個人・グループの組み合わせ)
【複数階層向け、組織全体向け】
・MBO(目標管理制度)の再導入
・社員満足度(充実度)調査を活用した組織風土・制度変容支援
・人事評価制度の有効活用
・TKIアセスメントを活用した、交渉タイプ理解・異文化理解
D社は、日本での発展が目覚ましいドイツ系企業です。日本法人の社長(ドイツ人)からお声がかかり、まずは社長相手のエグゼクティブ・コーチングをスタートしました。対話を重ねるなかで、組織の拡大に人事制度・人材育成が追いついていないという課題を抱えていることがわかってきました。当社が “人事総合サービス”が提供できることを伝えると、「ぜひ組織開発全般に力を貸してほしい」とのご依頼をいただきました。
D社の課題は、より具体的には、(a)研修の機会がなくマネージャーが育ちにくい、(b)英語力不足が原因で外国人の上司や本社とのコミュニケーションがうまくとれない、(C)グローバル本社の制度(例:目標管理制度=MBO)がうまく効果を発揮していない、といったものです。
実際に行った制度設計やサービスは、上記の[提供サービス]にある通りです。
日本法人での新制度導入や制度改革にあたっては、ドイツ本社にきちんと説明ができる、つまり本社と共通言語で話ができることが必須でした。そこに、留岡のこれまでのキャリア(ソニーでのグローバル事業経験、欧州系コンサルティングファームでの経験)が役立ちました。
このように、最初は社長コーチングから入ったD社へのサポートは、現在は図のように、トップ、ミドル、一般社員も含めた組織全般へのサポートとなっています。そして、全階層を見ているからこそ、社長コーチングが更に有効なものになっています。
【 Tomeoka’s Diary 】
◆MBTI資格取得
今年(2017年)3月、香港にてMBTIのプラクティショナーとしての資格を取得しました。MBTIとはMyers-Briggs Type Indicator の略で、ユング心理学を基にアメリカで開発された性格診断。チーム・ビルディングやリーダーシップ開発、キャリアプランニングのためのツールとして、欧米企業を中心に世界中で活用されています。日本でも取得できる資格ですが、あえて香港で、英語で取得しました。日本に輸入される際に独自の味付けが加えられるケースがあるので、よりオリジナルに近いところ・オリジナルの言語で学びたいとの考えからです。加えて、英語でのコーチング力をブラッシュアップしたいという理由もありました。4日間のコース終了後のテストに無事合格、資格を取得して帰国できました。
◆立教大学経営学部兼任講師に就任
(2017年)4月から立教大学経営学部で教員(兼任教員)として、学生にビジネス・リーダーシップ・プログラムを教えています。お話をいただいた時、日本の次世代の感覚を理解する良いチャンスと受け止めました。プログラム構成は、スポンサー企業へのチーム毎での新規事業提案コンペ(縦軸)に、リーダーシップ開発(横軸)を織り込んでいます。運営・進行は1学年上の精鋭達が実施。ビジネス実務に長く携わってきた経験を活かし、①学生がビジネスを創る際の「視点・レンズ」を持てるようになる、②検索エンジンだけに頼らず「人と現場」からの生情報の重要性に気付き、他者を頼ってもよいと知る、③リーダーシップの具体的行動、等を少しでも伝えたいと思います。
◆ブラインドサッカー「スポ育」で小学校訪問
当社は3月にNPO法人ブラインドサッカー協会との間で、学校向け体験授業「スポ育」事業のパートナーシップ契約を締結しました。スポ育は同協会が年間2万人(全国)の小学生に実施しており、その一環で、5月に文京区の小学校を訪れました。視覚障害者のサッカー選手を講師に迎えた体験レッスン。30名ほどの小学生たちは、最初は視覚障害者を遠巻きにしたり、アイマスクで視覚を失った瞬間立ちすくんだり。それが、アイマスク付きで様々なワークこなすうちに自然に体が動き出し、少しのアドバイスで「相手の立場に立った」コミュニケーションを取り始めました。小学生の頃から、体験を通してダイバーシティを実感し、コミュニケーションの基本を身につける機会は「貴重!」の一言。こうした体験を通して、日本の次世代がより良い成人になってほしいと心から願っています。
◆飯田橋駅前に新オフィス
ポラリス・オフィスを飯田橋に開設しました。エグゼクティブ・コーチングのクライアントの皆様から、「ゆっくりくつろいで話ができる」と好評です。飯田橋駅から3分というアクセスのよい場所にありますので、お近くにお越しの際は、ぜひお声がけください。